土に恵まれた方へ、生ゴミ処理だけじゃない!『コンポスト』

土に恵まれた方へ、生ゴミ処理だけじゃない!『コンポスト』

こんにちは、はるさんです。

昨今、『食品ロス』『ジェンダー平等』『地球環境』『SDGs』などマスコミを通じて耳にするようになりました。その中で、「コンポスト?名前くらいは知っている」「生ゴミを処理する方法」と、知識としてご存知の方は多いと思いますがこのコンポスト、いざ実践となるとハードルが高い感じですよね?

実際はるさんも、コンポストを知ってから始めるまでは随分と時間がかかりました。コンポストにはいくつかの種類があり、その内の”キエーロ(土の無い場所でも生ゴミを処理出来るタイプ)”については先にご紹介しています。ここでは、土に恵まれてお庭や菜園を利用できる方へ『土中コンポスト(土に埋めて利用するタイプ)』についてはるさんが実践してる方法でお伝えします。

このコンポストは生ゴミが処理出来るだけではなく、後には庭や菜園の土壌改良に効果のある”堆肥”に生まれ変わるんです、まさしく一石二鳥!ですね。

コンポストを始めるきっかけ

はるさんは5年ほど前に愛知県から岐阜県に移住、土のないマンションから庭の土のある家へと環境が変化しました。

その後、SDGsを知ったことでゴミの削減について意識するようになった2019年春先に、コンポスター(堆肥化するための容器)の設置を決めました。この時点では菜園の土地はお借りしていないので、コンポスター初号機は自宅庭への設置です。

その後の家庭菜園の開始については全く想定外で、たまたまお話しした近所の地主さんから、菜園用地をお借りできることになり家庭菜園を始めました。その為、コンポスター二号機以降は菜園での設置になります。

菜園については、当初はSDGsを意識してと言うことではなく「収穫したての新鮮な野菜が食べられるから」程度の考えでしたが、SDGsを知るにつれて 菜園での収穫→消費(調理)→生ゴミ→コンポスト→菜園栽培に堆肥利用→菜園での収穫と家庭内での循環が成立し、「ゴミ処理に必要なエネルギー(※化石燃料)の量、排出する二酸化炭素量を減らせる」「フードマイレージ(食品輸送にかかる二酸化炭素量)を下げられる」等、環境負荷を低減出来る手段だと知りました。

コンポストを始めたことと、家庭菜園を始めたこと、この二つのアクションではるさんは、コンポストを持続出来ていると考えています。

※地中に堆積した動植物の死骸が変性されて、化石になった有機物で石炭、石油、天然ガスなどを指す。これらの燃料を燃やすと二酸化炭素CO2などを発生し、地球温暖化、大気汚染による酸性雨、などの環境汚染を起こす要因になる。また、資源埋蔵量に限界があるため持続性にも問題がある。

コンポスター(容器)を選ぶ基準・使用しているメーカー

コンポスターを選んだ基準に特に拘った点は無く、製品の多くが緑色のコンポスターだったのですが黒色の方が熱吸収に優れるかと考え、以下のコンポスターを選びました。

実際に堆肥を作るためのコンポスター(右)
*アイリスオーヤマ製 IC-101 95

菌床、発行促進剤、籾殻や移植ごてなどのツールを入れている予備のコンポスター(左)

*アイリスオーヤマ製 EX-101 101L

  

 

設置と使用方法

  1. コンポスター外径+10cm程度のサイズで、10〜20cm程度の深さの穴を掘ってコンポスター下部を土中へ埋める※上の写真参照
  2. コンポスターの周囲を土で盛り上げる ※しっかり固めないとネズミ等に入り込まれる原因になります。
  3. コンポスター内部の地面に菌床(アイリスオーヤマ製)を5L程度撒く
  4. 生ゴミを入れる
  5. 生ゴミ発酵促進剤(アイリスオーヤマ製)を生ゴミの上に撒く
  6. 籾殻(もみがら)を撒く
  7. 土で生ゴミを覆う ※生ゴミが出ていると異臭や虫の発生につながります。
  8. 生ゴミ発酵促進/防虫消臭剤(アイリスオーヤマ製)を撒く ※ここでの発酵促進/防虫消臭剤は特に防虫、防臭効果に期待しての使用 です。次からは⑷ 〜⑻を繰り返す
  9. 土がコンポスター上部までになったらコンポスターを上から取り除いて全体を土で覆う
  10. 1〜3ヶ月程度の期間熟成する、崩してみて生ゴミの形が残っていたらさらに熟成する。

以上がはるさんの使用方法です。
方法は色々あるようです。例えば、菌床や発酵促進剤を使わず単純に撹拌の継続だけでも堆肥化は可能のようですが、私は虫や臭いでの失敗が起きると続けられなくなると考え、敢えて慎重な方法を取っています。

菌床、発酵促進剤、防虫/消臭剤(アイリスオーヤマ製品)各¥700〜900程度で購入可能です。

 

 

また、籾殻は地主さんよりいただけるので生ゴミと土の間に空間を作り発酵を促す為に使っていますが、籾殻の入手が難しい場合は時折かき混ぜることで空気を含ませて発酵を促すと失敗が無いようです。

消臭にはコーヒーかす(乾燥させたもの)、発酵促進には米ぬかが代替品として利用可能です。

防虫については堆肥化することを考えて化学薬品の使用は避けて、コンポストの本体と蓋の間に目の細かいネットを掛ける等の対策も有効です。

コンポスターに入れられる生ゴミ、入れられない生ゴミ

入れてはいけない

  • 腐敗したものは絶対にダメ *周囲に腐敗が広がり、腐敗臭・虫の発生の原因になります。
  • 水分は出来る限り切ってから投入する ※発酵分解の前に腐敗する原因になります。
  • みそ、ぬか床、調味料 ※塩分が強く堆肥で使う際に塩害が出ます。
  • タバコ等 ※食べることのできないものは入れてはいけません。
  • 糞尿、吐瀉物 ※異臭、伝染病の原因になります。
  • 生の肉類の全て、生魚の内臓・あら、海老の殻 ※お湯をかける・火を通す等の処理ををすれば入れられます。

分解できない

  • 果物の種・かばちゃの種・ピーマン・パプリカの種
  • とうもろこしの芯、玉ねぎの皮、牛・豚・鶏の骨、アボガドの皮 ※出来るだけ細かくすれば入れられます。
  • 落花生の皮、貝類の殻 ※金槌で叩いて細かくすれば分解はしませんが堆肥としては有効です。

分解しにくい

  • 卵の殻 ※出来るだけだけ細かくすれば入れられます。
  • カニの殻 ※硬い部分はほとんど残りますが、出来るだけ細かくすれば堆肥で利用中に分解します。
  • そら豆の鬼皮 鶏皮 ※出来るだけ細かくすれば入れられます。
  • キャベツの芯・ブロッコリーの茎・とうもろこしの皮・たけのこの皮
  • 輸入の柑橘類の皮(オレンジ・ネーブル・グレープフルーツなど) ※輸入品は表面に防かび剤を使っていて分解が遅くなります。
  • 竹歯ブラシ ※コンポスター投入後10ヶ月を経過してもそのままの状態(4月現在)
  • 天然繊維(綿)の台拭き ※コンポスター投入後10ヶ月を経過しても所々に破れがある程度の分解程度

※この内容はネットでの情報に自身の経験を付け加えたものです。

二号機までは完璧に堆肥化出来たので、試しに一度腐敗した食品を投入したところ腐敗臭が出ました。厳禁と言う事で間違いないようです。

※上記の内容はフリーペーパー”エシカル、ここから”2021年夏号Vol.5の裏面にイラスト付きポスターで分かりやすく掲載されています。

”エシカル、ここから”2021年夏号Vol.5はこちらから

導入して良かった点

  • コンポスター設置前には、生ゴミは1週間に2〜3回の地域のごみ収集に毎回出していたのですが、コンポスターを設置してからは生ゴミがほとんど無くなったことに加え、ゴミ削減の意識向上もあり現在では2週間に1回程度、1袋の可燃ごみの量に減っています。
  • 設置以来、目に見えてゴミの量が減っていったので「もっと減らすためには?」「これもコンポスターで処理できるかも?」などと出てくるゴミについての意識が高まりました。
  • 生ゴミをごみ収集へ出している時に体験した嫌な思い、「生ゴミが重いために可燃ゴミ袋が重くなる」「生ゴミの腐敗臭」「腐敗汁の漏れ」等のストレスが軽減されました。
  • 生ゴミを処理する地域のごみ収集袋の使用が減った為に、購入費用が節約出来ました。※美濃加茂市の指定ゴミ袋は10枚で¥300と高額、愛知県では10枚で¥100以下と地域格差がありますが、例えば美濃加茂市で毎回ゴミ袋を1枚使用しているとすると、1年間で約3,600円のゴミ袋代が必要です。
  • ゴミの量を減らせたことでゴミ処理施設で使われる費用が減り、節税に貢献することで減税・税の有効な使途を期待する事が出来る。
  • ゴミの量が減らせたことで、ゴミ処理の際に必要なエネルギーと排出する二酸化炭素の量を減らせて地球環境保全の助けになります。
  • 家庭菜園や庭で利用可能な堆肥が作ることができて、菜園や庭の維持費用の節約が可能になりました。
  • SDGsの目標に近づくための活動をしていると実感できることでよりSDGsの意味を知り、意識するようになりました。
  • 家庭内に循環が構築出来て、環境負荷の大幅な軽減が可能になりました。
  • 家族の皆がSDGsの目標のために、いくつかの取り扱いが面倒になっても協力してもらえるようになった.

※生ゴミをコンポスト用と可燃ごみに分別する、家に入ってくる包装(プラ、ビニール製)などをそのまま捨てずに大小に分けてゴミ袋として利用するなど

完熟した堆肥

終わりに

はるさんはコンポストを始め、その後に家庭菜園を始めたことで家庭内に循環を作ることが出来ました。

それは一方通行では減らせなかった、地球環境を悪化させる物質や行動を大きく減らすことに繋がりました。今はまだ細いパイプだけれど、この循環するパイプが少しづつ太くなるように生活の一つ一つを考えています。家庭という小さな単位の循環から、環境にかかる負荷を社会全体で出来るだけ減らす循環型社会が生まれると思います。皆さんも家庭の中に循環を作ってみましょう。コンポストを始めたらゴールはすぐそこです。

こちらのコンポストの記事について、違った切り口での取り上げ方をされたアノニマ・スタジオ(中央出版)のウェブ記事があります。ぜひこちらもお読みください。リンクはこちら

  

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