こども食堂って、どんなところ?

こども食堂って、どんなところ?

2024年1月のとある日、私は娘2人を連れて、愛知県岡崎市で毎月開催されている「えほんしょくどう どうぞの店」というこども食堂を訪れました。

そこは加藤弥生さんが主宰する「サークル風」が月に1回開催しています。
サークル風は2005年から、「絵本を通して、心の栄養を届けたい」と地域や市内の園、イベントなどで絵本のよみかたり活動をしています。

しかし核家族化が進んでいることや、近所付き合いが減っている現状を見て、「皆のお腹を満たしてから、絵本を読む場所を作ろう」という代表の加藤さんの思いから、2019年4月にこども食堂を開設しました。

今回のブログ記事では、私たち親子が初めてこども食堂を利用した体験を交えながら、どのような場所なのか、SDGsとどう関わりがあるのか、そして私たちにできることはあるのか。
一人の母親としての目線にはなりますが、思いのままに綴っていきますので、この記事を通して考えたり、行動したりするきっかけになれば幸いです。

こども食堂って、どんなところ?

子どもが一人でも行ける無料または定額の食堂で、民間発の自主的・自発的な取組みです。
2012年に東京都にある「気まぐれ八百屋だんだん」が始めたとされ、今では全国約9,000箇所以上(データ元:認定NPO法人全国こども食堂支援センターむすびえ)に広がっています。

私が住んでいる愛知県にも170か所以上あり(データ元:あいち子ども食堂ネットワーク)、私の友人が利用していたり、ボランティアとして参加していることを聞くと、こども食堂は年々身近な存在になってきているのではと感じています。

それでもまだ認知度は不十分で、参加したいのに戸惑う方も少なからずいると思います。では、ここから詳しくお話ししていきます。

わたしたちも利用していいのかな?

私がこども食堂を利用したことをSNSに掲載したところ、「気になってはいたけど、誰でも参加していいんですかね?」というメッセージをいただきました。
まさしく私も同じ考えを持っていて、エシカラとしての取材が無ければ、利用する機会はなかったかもしれません。

しかし、こども食堂は「だれでも利用できる場所」です。
生活に困っている子どもや家庭に限って食事を提供するのではなく、地域の高齢者をはじめとする住民が参加しているところもあります。コミュニティー食堂やみんな食堂、地域食堂など、場所によって様々な名称がつけられています。

とはいっても、私も実際に利用するまで「本当にいいのかな?」と緊張していたのが本音です。
しかし、当日会場に足を踏み入れると、スタッフの皆さんが笑顔で出迎えてくれて、すごく安心感を覚えたと同時に、「私たちも来てよかったんだな」とそこで初めて感じました。

やはり、一度行ってみないと分からないと実感しました。
小さい子ども連れでも利用しやすいのが、魅力の一つです。
ほかに参加されていた方も複数のお子さんを連れていましたし、小さい子どもが食べやすいように座席にはクッションが取り付けられている配慮もされていました。

会場で食べずに、お弁当を持ち帰る形式も選べたので、自宅で食べるほうが心地よい方にも安心して利用できる工夫がなされています。

これは私が利用した「えほんしょくどう」における話ですが、場所によってそれぞれ特長があると思うので、やはり一度利用してみることをおすすめします。

どうやって運営しているんだろう?

私がこども食堂の利用申し込みをする時にまず驚いたことが、費用です。
子どもは無料、大人は応援協力費として300円。「本当にこんなに安くていいんですか?」というのが正直な気持ちでした。「安い」という表現も違うかもしれませんが。

次に驚いたのが、提供されるご飯が美味しく、温かく、栄養満点であること。
ご飯と汁物に、ハンバーグ、野菜のおかずたち。彩りも豊かです。

日頃私が作る食事は、娘達の好物に寄せてしまいがちなので、普段食べない食事内容で少し心配でしたが、2人とも美味しく食べていてとても有難く、そして嬉しく感じました。
私も自分が作った料理ではなく、どなたかが作ったご飯を食べられて、しかも調理や洗い物をする機会が1食分減っただけで、すごく助かりました。自宅ではない、いつもと違う場所でご飯を食べられるのもいいですよね。

我が家は主人が仕事で忙しく、夕飯時は不在のことが多いので、母娘3人だけの食事がほとんどです。ここではたくさんの人に囲まれて食事をとれるので、人の温かさを感じられました。

皆さんはご飯作りを楽にしたい日や、誰かとご飯を食べたい日はありませんか?
開催頻度はこども食堂によって異なるので、事前にウェブサイトやSNSなどでチェックをして、タイミングの合うところで利用してみるのもいいかもしれません。探し方に関しては後述します。

 

食事風景
次女と私の分。ご飯はもう1人分もらえるところでしたが、多いので2人でシェアしました。長女は苦手な野菜をおかわりしていました!

最後に驚いたのは、支援物資の量と豊富さです。
お米、ジュース、果物、パン…支援物資があるとは事前にお伺いしていましたが、予想以上の量で、差し出された時には目を丸くしました。
他の利用者の方はバスケットを持参されていて、子どもが一緒にいても持ち帰りやすい良いアイディアだと感じました。

 

支援物資
本当にたくさん頂いたので、ご近所さんにお裾分けしました。食べ盛りの中学生がおられるので、とても喜ばれました!

今回私たちが利用した「えほんしょくどう」で提供される当日の食事と、配布される支援物資は、地元企業や店舗、農家の方からのサポートによって成り立っています。
他の食堂も民間企業と連携をしたり、お金や食品の寄付を募ったり、助成金の制度を利用したりと、運営方法は多種多様です。

中には、資金の不安をなくす仕組みを取り入れている所もあります。
こども食堂を開催する飲食店で常連客がチケットを買い、そのチケットを使用することで、そこに来た子どもがご飯を食べられるというシステムです。

運営側の負担の少なさは、持続可能な活動への一歩になりますよね。
私たちがいただいた食事や食料をはじめ、運営者、調理や配膳のスタッフ、会場の提供者など、たくさんの方の厚意によって成り立っているのが、こども食堂なのだと分かりました。

「こども食堂はだれでも利用できる場所」と前述しましたが、感謝の気持ちを持って利用することが大前提だと思います。
「えほんしょくどう」の利用申し込みをする際にも、「こども食堂はサービス業ではなく、全員ボランティアで運営をしているので、互いに気持ちの良い時間を過ごすためにもお声掛けをしてほしい」とのお願いがありました。

“お互いが気持ち良く”というのは、こういう素敵な活動を長く続けていくためにも大切な心遣いです。
皆さんもこども食堂を利用される際は、運営スタッフの方々に感謝の気持ちを言葉にして伝えてほしいと思います。

バナナ
長女は帰り際に「ここまた来たい!」とスタッフの方に伝えていました。

こども食堂を探す

家族や友人からの情報が一番確かだとは思いますが、地域の回覧板でお知らせしているところもあったり、インターネット上で掲載しているところもあります。
下記サイトは全国のこども食堂が探せるようになっているので、ご参考ください。

● 認定NPO法人全国こども食堂支援センターむすびえ

● こども食堂ネットワーク

私が住む地域では、自治体が市内のこども食堂をまとめてインターネット上で公開しているので、その情報は信頼できると感じました。
中にはSNSで活動の様子を掲載している団体もあるので、雰囲気が分かって安心して利用するきっかけになるかと思います。

わたしたちが、できること

「こんなに温かい場所が身近にあるって素敵だと感じたと同時に、今まで知らなった申し訳なさを感じた」。こども食堂にボランティアとして参加している友人にインタビューをした際に、私が一番心に残った言葉です。
近くで貧困が起きているのは事実なのに、その現状を一度は目や耳にしながら、豊かな日本で暮らしているとそれをなかなか実感できません。

こども食堂が年々増加していることを先述しましたが、それは良いことだけではなく、食事に困っている人が増えている状況が改善されていない、または深刻化しているとも捉えられます。

ここからはSDGsとの関わりや、いま私たちができることをお話ししていきます。

こども食堂とSDGs

17あるSDGsの目標の中に、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」という3項目があり、こども食堂の活動はこれらの達成につながるとされています。

場所によっては子どもの学習支援をしたり、地域の絆を深めるイベントを開催したりと、食事や場所の提供に収まらず、活動内容は多岐にわたっています。
これは、上記の3項目だけでなく、目標4「質の高い教育をみんなに」や目標11「住み続けられるまちづくりを」など、ほかの目標達成にも貢献できると思います。

ボランティアとして参加している友人は、普段から食育の活動をしており、こども食堂について「多方面から見て、食育を学べる大事な場所」だと話していました。
「食べるもので身体は作られていることを学べるのは勿論、作り手の想いを感じ、それに感謝し、色んな人と食卓を囲むことでコミュニケーションも図れる。子どもの貧困という悲しさを感じさせないくらい楽しくて明るい、エネルギーの溢れる場所だよ。」とも仰っていて、とても納得しました。

SDGsは未来をより良くしていくためのもの。その未来を生きるのは、子どもたちです。

「えほんしょくどう」の加藤さんは「子ども達の心と身体が満たされ、弾けるような笑顔を然と浮かべられるようになれば、きっと幸せな未来を築くことができると言じている」とお話しされていました。そして、「一食分の用意や片付けをする時間が浮いたことで、その日の夜は親子でゆっくりお風呂に浸かり、絵本を一冊読んでもらえたら最高です。
お母さんが早く就寝し、翌朝をご機嫌で迎えられれば、良い一日のスタートが切れて、家庭円満に繋がってほしい。」とも仰っていて、こども食堂の活動は、SDGs の目標達成への貢献にとどまらない、温かい循環をもたらす取り組みだと感じました。

利用者として心がけてほしいこと

前にも述べましたが、この活動を続けるためには運営者と利用者が互いに心地よくいられることが大切です。
私が一度利用してみて、下記の通り配慮するべきだと感じたことがありました。

  • 運営スタッフに、お礼をしっかり伝える
  • 予約の必要なこども食堂の場合、当日利用できなくなったら連絡を必ずする
  • 箸などのカトラリー、飲み物は持参する
  • 片付けはできる範囲で行う
  • 提示されたルールがあったら、しっかりと守る

こども食堂の活動は、たくさんの方の思いやりで成り立っていることを忘れないようにしてほしいと思います。

ボランティアや支援者として関わる

こども食堂の活動を支えるために、ボランティアとして関わるのはいかがでしょうか?
「えほんしょくどう」は知り合いや仲間同士で開設しましたが、その仲間たちが家族や友人、ご近所さんを呼び、ボランティアの方が年々増えているとのこと。
中でも、40代以上の女性で小さい子どもの子育てを終えた方が多いそうです。
調理をはじめ、配膳、受付、イベント準備など様々な手助けが必要だと思います。

「一度関わったら、毎回参加しなくてはいけなくなるのかな…」と思われる方もいるかもしれませんが、できる時に、できる手助けをするだけでも、活動のサポートにつながります。
私の友人は、お子さん達を連れてボランティアとして参加されています。

「こういう場所があることを知って、自分にできることは何だろうって考えてほしい。そして自然に行動できる子どもが増えてほしい。」という思いがあるとお話しされていました。
こういう考えを聞くと、子連れでボランティアスタッフとして関わるのも、子ども達にとって貴重な経験で、学びになると感じました。

また、寄付金や物資のサポートを受け付けている団体もあります。
先に紹介したむすびえこども食堂ネットワークではオンラインでお金を寄付できるようになっていたり、どこの食堂で何が必要なのか分かる仕組みになっています。
ボランティアとして現場で活動することができなくても、こども食堂を少しずつでもサポートしたいと思われる方には良いかもしれません。

まとめ -私が感じたこと-

こども食堂、SDGs…どうしても暗いイメージが先行しがちですが、実際はとても明るく、優しさに包まれた場所だと私は感じました。
「えほんしょくどう」の加藤さんは、「こども食堂が必要のない社会に早くなってくれればと願いながら開催している。目の前の人を思いやる、それだけでいいんです。」とお話しされていて、その言葉や姿勢から強さと温かさが伝わってきました。

今を生き、未来を担う子ども達がほっと安心できる居場所を作ること。
そしてそれが当たり前の日常になればと、一人の母親として心から感じました。

利用者、運営ボランティア、支援者…様々な関わり方があります。
何かできることはないか、日々考えながら、行動をしていきたいと思います。

おすすめの絵本

最後に、子どもと一緒にこども食堂について知ることができる、おすすめの絵本を紹介します。
あおぞらこども食堂はじまります!」という、いとうみくさんが書かれた作品です。
くまのハルさんが一人で食事をしている子どもが多いことを知って、こども食堂を開き、そこから町のみんなが助け合う、というお話しです。
5歳くらいから楽しめる内容になっているので、お子さんと一緒に読んでみるのはいかがでしょうか?ほっこりする温かいイラストにも癒されますよ。
作/いとう みく 絵/丸山 ゆき ポプラ社

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