来年、2020年4月から日本全体でレジ袋有料化が始まろうとしています。
プラスチックによる海洋汚染防止を目的とした今回の有料化ですが、残念ながらビニール袋を減らすだけでは十分とは言い切れません。なぜなら問題はビニール袋だけでなく、使い捨てや消耗品に多いプラスチック製品全般が原因だからです。
ここで記載する「使い捨てや消耗品のプラスチック」とは、例えば食品トレー、ストロー、薄手のビニール袋、ファーストフード店のドリンクカップ、スポンジ、歯ブラシなど挙げるときりがありません。
避けきれないプラスチック製品
皆さんは、自分達の生活にどのくらいプラスチック製品が浸透しているか考えたことはありますか?
例えば、スーパーに行ったとして「プラスチックの袋やパックを使用している」商品がどのくらいあるか想像してみてください。
野菜の多くは大量に購入してもらう目的の為にビニールに入れられまとめ売りされています。更には洗ったり皮を剥けば済むはずの皮付きの野菜すら食品トレイを使用しています。お惣菜やお肉はパックに詰められています。お菓子を買えば、大きな袋の中にまた一つ一つのお菓子を丁寧にプラスチックの袋で梱包されています。
恐らくほとんどの商品に使用されており、もしプラスチックを全く使用していないものだけで生活しようとしたら、生活がとても難しくなることに気付くと思います。
しかし、それらの包装は本当に必要ですか?
海外では紙製の個包装が主流
海外に目を向けるとどうでしょうか?以前フランスのカンヌに行った時のことをお話しします。
スーパーに出掛けると、野菜の多くが袋やトレイなどに入れられずそのまま量り売りされていました。一個単位ではなく重さで価格が設定されているので、大きいものを選んでも小さいものを選んでも損はしません。自分に必要な分だけ計りに載せ、野菜の番号のボタンを押せばバーコードが出てきます。それを野菜を入れた袋に貼りますが、袋はもちろん紙製です。そしてレジに行きお会計を済ませるのです。なお、マイバッグを持参すれば、そちらでも購入できます。
お惣菜やお肉の場合はスタッフにどのくらい必要か伝え、その分だけトレイに入れてもらうシステムなので無駄にトレイを使用することは有りません。
この場合も、容器を持参すればそちらに入れてくれます。
冷凍食品も、多くはプラスチックではなく環境に配慮された紙製のパッケージに包まれて販売されています。
その他に海外では空港でのペットボトルの水の販売が廃止されたり、プラスチック製品を販売する企業は自社製品が不要になった際は引き取ってリサイクルする制度を設けたり、様々な企業がプラスチックの削減に積極的に取り組んでいます。
なぜプラスチックがいけないのか
そもそも、なぜプラスチックがここまで問題視されているのか考えてみましょう。
普段、私達はプラスチックのゴミをリサイクルの為に分別して捨てている行為をあたかも環境問題の解決に取り組んでいるかのように考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際は分別したプラスチックの16%が埋め立てや焼却に回され、57%はサーマルリサイクル(ゴミを焼却したときに出る熱エネルギーを回収・利用する)という名目で焼却処分されているのです。(焼却処理はCO2の増加を伴い、地球温暖化の原因になります。)
私達が思っているリサイクル、そう、また新しい商品に生まれ変わるのは、分別されたプラスチックの僅か27%なのです。
その為、根本的な解決策には全体的な量を削減すること、プラスチックごみが出ないようにすることが大切になります。
普及しているプラスチックは分解しない
プラスチックを自然の中に置いた場合、何年経つと分解されるかご存知ですか?なんと、一般的なプラスチックは分解されません。
劣化や壊れた時に粉々になったモノをマイクロプラスチックと言いますが、それも自然環境下では無くなることはありません。
マイクロプラスチックは他にも色々な発生原因があり、私達が日々生活する中でも排出されています。例えば、ポリエステルやアクリル製の化学繊維でできた服は洗濯するたびに繊維が流れ出ます。食器を洗う洗剤やスポンジ、シャンプーや洗顔などからも発生します。
更に問題はここで終わりません。
発生したプラスチックが回収されることなく海に流れ出ると海洋生物が餌と間違って食べてしまい死に至る事もあります。
又、マイクロプラスチックには有害物質を吸着する性質があり、それを食べた生き物に毒素が蓄積されていきます。例えば魚の場合、小さい魚が食物連鎖により大きな魚に繰り返して捕食されていく度に毒素はどんどん凝縮していき、最終的にその魚を食べた私達人間にまで到達するのです。
プラスチックを避けるために
これまでプラスチックの及ぼす環境への影響をお伝えしましたが、ではどうしたらプラスチックごみの量を減らせるのでしょうか。
私たちがすぐ出来る身近な方法が書かれたブログが関連記事に出るので、是非、参考にしてください。