エシカラ編集部のぐれ子です。共働き夫婦+3歳の娘の3人でマンション住まいをしています。
2ヶ月前の2019年9月、マンションで使えるサイズのコンポスト「ミニキエーロ」を我が家のベランダに設置しました。
ミニキエーロを使い始めて以来、ものすごく快適に生ごみの削減に取り組めています。
今回はミニキエーロの基本的な使い方と、小さいサイズゆえのちょっとした使いづらさを解消するためのコツを紹介していきます。
ミニキエーロを導入する前に!キエーロの基本的な使い方を理解しよう
以下のサイトを熟読して理解した上でアレンジをすることが快適に使うコツです。
キエーロが生ごみを分解してくれる仕組みや条件を無視して使用すると、うまく分解がすすまなかったり、異臭や虫が発生するなど、困ったことが起こりかねません。
後にもざっくりと「基本的な使い方」を紹介していますが、上記サイトをご覧になった上での活用をおすすめします。
ミニキエーロとは?
前回の記事で詳しく書いていますが、大きめのプランターを使って作る、小さなサイズの生ごみ処理コンポストです。
前回の記事はこちら→マンションで使えるコンポスト!安い・小さい・臭わない!「ミニキエーロ」を作りました
安く作れて、小さくて、生ごみを入れても臭わない!と評判で、家庭で生ごみの削減を始めるにはもってこいのコンポストです。
日本国内のいくつかの自治体では、市民の方に広めたり活用方法の実験を行っているようです。
ミニキエーロの使い方について、多くの自治体が独自に資料を公開していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ミニキエーロの基本的な使い方
- 日当たりの良い場所に設置する
- 生ごみを入れる場所は毎回変える
- 生ごみを入れる頻度は週1~2回程度に抑える
- 生ごみは深さ20cmくらいの位置を目安に埋める
- 生ごみが表面に出ないようにする
- 適度な水分を加える
- 生ごみとその周りの土を土をよく混ぜる
- 必ず乾いた土をかぶせて表面が乾燥した状態を保つ
いずれも快適に使うためのポイントなので細かく書きましたが、要約すると
「ミニキエーロをある程度暖かい場所で管理しながら、週に1~2回くらいの頻度で、しっかり穴を掘った場所に生ごみと水を投入してよく混ぜて埋める」
という簡単な作業です。

実際に使ってみて感じたこと
メリット
- 小さいので場所を取らない
- 可燃ゴミに出す生ごみが9割減
- 可燃ゴミの臭いも激減(そもそも生ごみをほとんど捨てないため)
- 生ごみの分解速度は申し分ない(暖かい時期は5日間、寒い時期は2週間程度で完全に分解されるようです)
- 土はほとんど増えない
- 可燃ゴミのゴミ出しが楽になった(生ごみが少なく軽い)
何といっても可燃ごみの量が激減したことが最大のメリットです。
今まで週2ペースでゴミ出しをしていたのが、週1回でも十分になりました。そして生ごみを何日もゴミ箱に入れておくことが無いため、可燃ごみがほとんど臭いません。
水気のある生ごみをほとんど捨てなくなったおかげで、ゴミ箱が汚れることもほぼなくなりました。
こんなに快適に環境への負荷を減らすことができるなら、生活に取り入れない手はないと思うほどです。
デメリット
- キエーロに「入れられる・入れられない」生ごみの分別が面倒
- 生ごみを一定期間溜めておく場所に悩む
- 溜めた生ごみが臭う
- 小さいゆえに入れられる生ごみの量が少ない
- 小さいゆえに生ごみを入れられる頻度が少ない
- 小さいゆえに掘り起こした土がこぼれやすい
- 小さいゆえによけた土を寄せておくスペースが少ない
- 土が少しは増える(気がする)
ミニキエーロを導入したことで感じる直接的なデメリットは、ほとんどありません。
しいて言えば、生ごみの分別と保管場所を考慮する必要があった程度。
それ以外に上述したデメリットというのは、通常サイズのキエーロと比較して、ミニキエーロだからこそ起こる不便さを挙げています。
小型ゆえのデメリットを解消するための、我が家での使い方や工夫を紹介
実際に我が家でミニキエーロを使う時の流れに沿って、前述の小型ゆえのデメリットを解消する使い方や工夫を紹介していきます。
- step1:生ごみを溜める
- step2:生ごみを埋める
- step3:分解具合を時々チェックする
の3つのステップの中で起こりがちな困りごとを、解決するヒントになれば幸いです。
step1:生ごみを溜める
ミニキエーロは、毎日生ごみを埋めるのではなく、埋める間隔を空けることで前回埋めたものの分解を待つことが大切です。
だいたい1週間〜2週間で、生ごみは分解されて姿を消します。
ミニキエーロの場合は、プランターのサイズにもよりますが生ごみを埋める場所は2ヶ所程度になると思います。
この2つの場所をローテーションさせて使うので、1ヶ所あたり最低でも1週間は分解に費やしたいところ。
すると、週に生ごみを埋められる回数は約2回。最低でも3〜4日程度、生ごみを溜めておく必要があります。
キエーロに「入れられる・入れられない」ものの分別のコツ
生ごみを溜める時の問題として、キエーロに入れられるものと入れられないものを分別する手間があります。
とは言っても、特に難しいことはありません。
おおまかな基準は、「人間の胃袋で消化できそうか否か」です。
キエーロに入れてはいけないもの
- 動物の骨、魚の大きな骨→分解できない
- 卵の殻→分解に時間がかかる
- 根菜の皮・ネギ類の皮や根(※)→もともと土中で生きているものなので分解に時間がかかる
根菜の皮については、加熱することでほぼ分解されている様子です。もしかしたら皮の部分だけ薄く残っているのかもしれませんが、姿を見たことがありません。
また気になることがあれば追記したいと思います。
ちなみに我が家の場合は、かなりざっくりと分別して、「分解できなかったものを後から回収する」という方法をとっています。
うちの夫はゴミの削減にとても協力的な反面、時折、手羽元の骨や使用済みのお茶パックなどを紛れ込ませてくれます。
時間のない毎日に、こまかく生ごみの分別をしている余裕はないので、家族が手軽にできることを最優先した結果、分解できないものも一旦埋めて後から回収という形になりました。
この方法だと、回収する頃には生ごみのカサが減って小さくなっていたり、臭いもしなくなっているので、そのまま生ごみをゴミ箱に捨てるよりも快適です。

生ごみを溜めておく場所と臭いについて
生ごみを溜めておく=腐る=臭いが発生します。
密閉容器に入れておくことが推奨されていますが、プラ容器は汚れでベタつきそうだし、あまり大きいと場所を取るし…と考えた結果、我が家ではインスタントコーヒーの空き瓶(大)を採用しました。
蓋をしてしまえば臭いは気になりません。底面積も小さいので邪魔にならず、ふだんはキッチンのシンク脇に置きっ放しです。来客時は、シンク下の引き出しに隠します。
大部分がガラスなので、空になったら掃除用のスポンジで洗えばピカピカになるので気持ちが良いですよ。ゴミ入れなのにこの清潔感!
口が小さいのが難点ですが、そのほかは何も問題がありません。
「ここに入るだけ」という意識が働くので、生ごみの量を減らすことにも役立っています。
入れられる生ごみの量が少ない…生ごみを減らす工夫は?
前述の通り、我が家では生ごみを溜めておく容器が小さいことで、「そこに入るだけしか生ごみを出さない」のが自然になりました。
そんな中で行っている工夫は以下です。
- 野菜や果物の皮はできるだけ剥かない
- 農薬の心配が少ない野菜を買う
- 実は食べられるのに捨てていた部位を知る
- 葉物や根菜の根元はギリギリまで使う
- 食事を作りすぎない・余ったら即冷凍して次の機会に食べる
野菜や果物の皮は、衛生面や健康への不安がなければ剥きません。ですが、子供が皮つきだと食べない場合や、どうしても皮付きが苦手な場合は無理をしないこと。無理があると、続けるのがおっくうになってしまいますからね。
ちなみに、私は野菜を主にJAの産直販売店(〜広場とか、〜市場などの名がついたお店がありますよね)で買いますが、時折無農薬や減農薬の野菜に出会えます。
身近に無農薬・減農薬の専門店が無くても、こういったお店で地元の新鮮かつ安全な品が手に入ることがあるんです。農薬が気にならなければ、必要以上に皮を剥くことも外葉を捨てることも減らせますよ。
ちなみにピーマンの種は食べられるってご存知でしたか…?人参も、出荷前に洗浄されているものは薄皮が剥けているので、あらためて皮をむく必要は無いんです。
好みがあると思うので人それぞれですが、このように「じつは食べられるのに捨てていた」部位があることに気付くことも、生ごみを減らすことに役立ちます。
そして葉物や根菜も、時間がある時は根元のギリギリの部分まで使うようになりました。
あとは、作りすぎないこと、食べきること。
食べ切れそうにないときは即冷凍。次の機会に食べるとか、翌日のお弁当にいれちゃうとか。大皿料理派のご家庭は、取り箸を用意しておけば衛生的にも安心です。
生ごみを入れられる頻度が少ない…分解の速度を上げる工夫は?
ミニキエーロに入れた生ごみは、夏〜秋の日当たりの良いベランダであれば、1週間弱でほぼ消えます。
共働きで平日の日中は在宅していない我が家なら、週に2回生ごみを埋めるだけで間に合います。
しかしお昼ご飯も毎日お家で作って食べるご家庭は生ごみの量も多いでしょう。そうであれば、もう少し高頻度で生ごみを埋められると便利ですよね。
ミニキエーロをできるだけ大きめのプランターで作る、もう一つミニキエーロを設置するというのが最も確実な方法ですが、それ以外の工夫は何があるでしょう。
- 生ごみを細かく刻んでおく
- 生ごみを加熱する
- 米ぬかを一緒に入れる
- よく攪拌する
これらの一手間を追加することで、生ごみの分解が早まり、埋める頻度を増やすことができそうです。
我が家では生ごみの量が多くなる時は、細かく(1〜2cm角くらいに)刻んだり、野菜クズを小さいボウルに集めてから保温ポットあるいは卵などを茹でたお湯を注いで、柔らかくしてから溜めています。

米ぬかは生ごみと一緒に土に混ぜることで微生物を元気にするらしいので、精米機で無料でもらってきたものを冷凍庫に常備しています。
あとは、埋めてから2〜3日後に分解具合を見て、生ごみを再度攪拌しながら細かく砕くと早く分解されるようです。
生ごみの分解の様子を観察しながら、無理がありそうなときは潔く可燃ゴミに出すのもやむを得ないと思います。まずは無理のない範囲で、継続的に生ごみの量を減らしていくことが大切だと思っています。
step2:生ごみを埋める
さあ、ようやく生ごみを埋める段階のお話です!
埋め方は簡単ですが、その前におおよそどの辺りに埋めるか見当をつけましょう。
週に2回埋める形でローテーションするのであれば、2ヶ所。ある程度均等に埋める場所を決めます。
プランターから土がこぼれやすい・よけた土の置き場に困る問題の解消法
ミニキエーロは小型なので、生ごみを埋めるための穴を掘る時にどうしても土がこぼれやすいです。
それを軽減するために私が行っている方法を紹介しますね。
用意するもの
- ちりとり
- 園芸用スコップ
- (手が汚れることがあるので、必要に応じて軍手)
ちりとりは一般的なサイズのものです。小学校の掃除に使うような…
いずれにせよ土がプランターから全くこぼれないわけではないので、掃除用にほうきとちりとりは用意した方が良いと思います。
生ごみを埋めるときの手順
- 表面の乾いた土をちりとりに集める
- 生ごみを埋めるための穴を掘る
- 生ごみと水を投入し、土と生ごみをよく混ぜる
- 穴を掘ったときによけた土をかぶせる
- ちりとりによけておいた乾いた土を全体にかぶせて完了
この方法なら、あらかじめ乾いた土をちりとりによけて確保することができます。
どれくらいの量の土をちりとりに集めておくか?については、写真を撮り忘れてしまいました…最後にかぶせる土は多い方が良いので、ちりとりからこぼれるギリギリの量まで集めます。

ただ穴を掘って埋めるよりひと手間増えますが、乾いた土をきちんとかぶせることができるので、臭いや虫も発生しづらい環境を作れます。
表面の土をあらかじめ取り分けておくことでプランター上部の土が減るので、掘り返した土の置き場が作れます。すなわち、掘り返した土がプランターからこぼれるのも軽減できるわけです。

step3:時々分解具合をチェックする
次の生ごみを埋める頃に、前回埋めた生ごみが無事に分解されているか確認しています。

まだ形がはっきり残っていたり、異臭がするなどの場合は、再度ざっくり攪拌して生ごみも細かくします。水分が足りなければ追加し、逆に水分過多でべちゃっとしているのであれば周囲の土と混ぜて調整します。
握った時に泥団子を作れそうなくらいの硬さが目安だそうです。
土が増えてきた気がするけど、どうしたらいい?
- 分解できなかったものを取り除く
- 土を取り分けて園芸に利用する
- 自治体のルールに則って処分する
だいたいは分解しきれなかったものによってカサが増しているだけのようです。
分解できなかったキャベツの芯や骨、そのまま入れられたお茶パック(ひどい)などを、掘り起こしている時に見かけたら回収しておけば、土はほとんど増えません。
ミニキエーロで使用した土は、栄養豊富な土になっているため園芸にも使えるそうです。我が家の場合はミニキエーロから出てきた芽をそのまま育成したいときは、土ごと鉢に移して使っています。
最後の「処分」についてですが、これは最終手段です。
マンション暮らしの場合は、どうしても自由に土を捨てられる場所がありません。もし土を捨てる場合は、お住まいの自治体のルールを調べてみてください。
ご実家が畑を持っていれば、そこに入れさせてもらうことも検討したいところ。
私の場合は、いつか自治体の市民農園を借りたいと思っているので、そこで肥料として使えたらなーなんて考えています。
といっても、持て余すほど土が増えるわけではないので、鉢植えかプランターがあれば今のところ十分です。
まとめ

マンションでも気軽に設置できる小さなコンポスト「ミニキエーロ」。
小さいゆえに使い方に工夫が必要ですが、1〜2週間程度使ってみれば、コツはすぐにつかめます。
なんと言っても生ごみが減ることによるメリットが大きく、一度使うとこの快適さを手放せない気持ちになりました。
そしてわずかでも環境への負荷を軽減できている感覚があるので、使っていてとても気持ちの良いものです。
生ごみの処分方法を変えるという行動から、フードロスやプラスチックフリー、生分解性など、付随する様々な環境問題にも意識を向けた生活ができるようになってきました。
このように、一人一人の生活のなかに当たり前にある行動を少しでも変えていくことや、それを発信していく動きが、持続可能な社会の実現につながっていくのではないでしょうか。
この記事が、ごみを削減したい、環境への負荷を減らしたいという思いを持つ人の参考になれば幸いです。